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自殺chapter6
20世紀は人類を幸福にしたか
NHKスペシャル「世紀を越えて」より

 

「豊かになったら幸福になれる」と、20世紀の人類は、物質の豊かさを追求しました。そして今日、100年前とは比較にならぬほど、生活は恵まれています。だが、果たして人間は幸福になったのでしょうか。

NHKスペシャル「世紀を越えて」で放映され反響を呼んだ、「20世紀・欲望は疾走した」と題する番組の内容を、要約して掲載します。

第1章 大量生産システム

20世紀を迎えてから、発明や発見が相次ぎます。

1901年、無線電信に成功。後に、ラジオやテレビを生み出します。1903年には、ライト兄弟が初飛行に成功、人間の交通手段が空へと広がる幕開けでした。

ヘンリー・フォードが1908年に発明した車、T型フォードは、1500万台の販売を記録した今世紀最初の大ヒット商品です。大ヒットの理由は、誰もが買うことができる値段の安さにありました。

値段を安くするためにフォードが考え出したのが「流れ作業」です。自動車の部品をベルトコンベアーに乗せ、順番に単純作業を加えることにしたのです。徹底的な分業が可能になり、組み立てのスピードは500倍に、車の値段はおよそ半額になりました。

生産を支えた労働者の多くは、当時、アメリカに大量に移り住んできた移民たちです。フォードの経営改革の2つ目は、この労働者を消費者に位置づけようというものでした。賃金をそれまでの倍の1日5ドルにあげたのです。当時としては破格の賃金でした。全国から1万人を超す大衆が職を求めてフォード社に押し寄せました。人々は「5ドルだ、5ドルだ」と叫んでいたと新聞は伝えています。

当時の労働者は、次のように語っています。

・日給5ドルといえばたいしたお金でした。この仕事にありつけば借金を返すこともできるし、貯金さえできるのですから。そして何でも手に入れることができるようになりました。毎日、温かくておいしい食事をとりました。歯を治しました。そして車を買うこともできるようになりました。

T型フォードの値段は、労働者の給料2ヵ月分。人々はこぞって自動車を買い求めました。流れ作業と高い賃金は他の産業にも波及し、豊かな生活はアメリカ中に広がりました。

1927年、T型フォードの生産は1500万台を突破し、街では渋滞が起きるようになっていました。このころ加速する大量生産は、労働者に豊かさとは別のものをもたらしていました。単純労働による精神的苦痛です。

フォード社では、毎日、100人近い従業員が工場をやめていきました。

これは、ある従業員の妻が、ヘンリー・フォードあてに書き送った手紙です。

・親愛なるフォード様、首を覚悟でお手紙を差し上げます。主人は流れ作業の奴隷のようです。仕事中、お手洗いに行くこともできないのです。そして工場から帰宅しますと、ぐったりして食事をとることも子供を抱き上げることもできません。流れ作業は私たちの家庭を完全に壊してしまいそうなのです。

喜劇王と言われるチャールズ・チャップリンは、フォード社を見学した光景をもとに、1936年、『モダン・タイムス』という映画を作りました。映画の中でチャップリンは、精神を病んでいく労働者の姿を演じています。

・機械によって新しいスピードが開発されましたが、かえって私たちはみんな機械の部品になって、自分の穴に閉じこもるようになってしまいました。生活を豊かにするはずの機械が、逆に私たちを貧困の中に放り出しています。私たちに必要なのは機械よりも人間なのです。(チャップリン)

第2章 化学物質の氾濫

1945年、第2次世界大戦が終わりました。アメリカは戦前をはるかに超える繁栄の時代を迎えることになります。まず、戦争のために開発された技術から、新しい商品が生まれました。

ニューヨーク郊外に生まれた巨大な住宅団地。戦地で兵舎を建設した方法を利用して安い住宅を大量に生産しました。部品の規格化と徹底的な分業により1日に40軒もの家を建てることができました。

そして冷凍食品。戦場で多く利用された冷凍食品が、便利で簡単な食事として食卓に欠かせないものになりました。

戦争中、パラシュートを作る素材として使われたナイロン。戦後、その姿を劇的に変えました。ナイロンストッキングです。それまでの絹のストッキングに比べ破れにくく足が美しく見えるというナイロンの特徴は女性たちをひきつけました。ナイロンは石油と水を原料に作られる人工化学物質です。天然にある物質の代わりになるものを作り出そうという試みが、1930年ごろから、人工化学物質を次々に生み出しました。ナイロンは絹に代わる素材としてつくられたのです。

大量消費が社会を変えたアメリカの1950年代、アメリカは世界でも群を抜いて、物質的豊かさの道をひた走っていました。娯楽産業の都市、ラスベガスや、巨大遊園地ディズニーランドが生まれたのも、このころです。

1960年代以降、公害が社会問題になります。有害物質を排出する企業に対して抗議の声が上がり始めました。

ベトナム戦争で使われた枯葉剤に含まれていたダイオキシン。人体に害を及ぼし、病気や異常出産を引き起こしました。今では、特定の化学物質だけでなく、身の回りにある様々な化学物質が人間の健康を脅かしています。神経の異常やアレルギーに似た症状を起こす化学物質過敏症です。

どのような物質に異常反応を起こすのか。反応テストによると洗剤や接着剤、インク、食品添加物など、様々な製品に含まれる化学物質が原因になっていました。アメリカ人の10人に1人は、この症状に悩んでいるといわれています。

私たち人類は、豊かさを求めて1600万種類もの化学物質を作り出しました。その化学物質が、私たちに困難な問題を投げかけています。そして今、大きな議論を呼んでいるのは内分泌攪乱物質、いわゆる環境ホルモンです。

・今や、この地球には汚染を免れている土地など存在しないし、環境ホルモンにさらされていない人間など、また皆無なのだ。それにしても、これほどまでの技術革新は、なぜ起こったのだろう。もちろん、そのおかげで、未曾有の豊かさ、健康、快適さが訪れた。ところが化学技術には、数十年たたないとハッキリ見えてこない闇の部分がひそんでいる。実際に何かが起こってしまってからでは手遅れなのだ。(T・コルボーン『奪われし未来』)

第3章 繁栄の中の不安

50年代の豊かさを作るシステムは、企業中心の社会を生み出し、男性の生き方にも大きな影響を与えました。

戦後、大企業は軍隊で用いれられた方法を取り入れ、効率を最優先するピラミッド型の組織を作りました。サラリーマンたちの関心は、組織の階段を上ることに向けられるようになりました。

同じような服を着て、同じように出世をめざすサラリーマン。管理と効率が最優先される会社の組織。アメリカでは、このころ企業社会が確立されました。

豊かな生活の中で、女性たちにも新たな悩みが生まれていました。マイホームを夢見る若い夫婦たちは、次々に造られた郊外住宅に競って移り住みました。

1963年、郊外住宅で暮らす主婦の不安をリポートした『女らしさの神話』は、300万部を売るベストセラーになりました。著者は、3人の子供を育てるB・フリーダンさん。自らの体験や大学時代の同級生への聞き取り調査をもとに書きました。

・郊外住宅の主婦、これは若いアメリカの女性が夢に見る姿であり、また、世界中の女性が羨んでいる姿だといわれている。しかし、郊外住宅の主婦たちは、密かに悩みと戦っていた。ベッドを片付け、買い物に出かけ、子供の世話をして、1日が終わって夫の傍らに身を横たえたとき、『これだけの生活?』と自分に問うのを怖がっていた。

フリーダンさんは、豊かな生活の中で、多くの女性が不安を感じているという事実を初めて社会に投げかけたのです。自らの役割に悩み始めた主婦たちの間で、うつ病のような感情障害が広がっていました。主婦症候群と名づけられました。

このころ大量に生産されるようになったのが、抗鬱剤です。女としての役割に悩む妻、会社で出世競争のプレッシャーを受ける夫。ともに当時開発された抗鬱剤に助けを求めました。

50年代の社会が生み出したストレスが、人間の薬への依存を生み出し、その傾向は今も拡大し続けています。

■      ■

20世紀は、人類に、「金や物さえ豊かなら人間は必ず幸福になれる」という考えが、深い迷信であることを証明したといえます。

釈迦は、『大無量寿経』に次のように説いています。

・田なければ、また憂いて、田あらんことを欲し、宅なければ、また憂いて、宅あらんことを欲す。田あれば田を憂え、宅あれば宅を憂う。牛馬・六畜・奴婢・銭財・衣食・什物、また共にこれを憂う。有無同じく然り。(大無量寿経)

"田畑や家が無ければ、それらを求めて苦しみ、有れば、管理や維持のためにまた苦しむ。その他のものにしても、みな同じである"

金、財産、名誉、地位、家族、これらが無ければないことを苦しみ、有ればあることで苦しんでいます。有る者は"金の鎖"、無い者は"鉄の鎖"につながれているといってもよいでしょう。材質が金であろうと鉄であろうと、苦しんでいることに変わりはありません。これを「有無同然」と言います。

「21世紀は、こころの時代」と言われて久しく経ちます。20世紀の大きな失敗の原因は、物質で幸せになれるという誤解に起因するのだと、人々はうすうす気付いているのかも知れません。

 

あなたが仏教から学べるたった一つのこと

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