P04-欲望という名の電車/浜田幸一
「“欲望という名の電車”を動かそうとする者は、誰だって、車内で切符を点検している車掌より、駅長になりたいと思うだろう。駅長よりは、JRを支配する社長になりたい。JRの親方より運輸相になりたい。運輸相より首相の方がいい……」(浜田幸一)
数々の”不穏当発言”と”蛮行”で知られ、”日本一の悪タレ政治家”を自認する、ハマコーこと、浜田幸一氏(元自民党衆議院議員)の言。
ベストセラー『日本をダメにした九人の政治家』からの、これは引用です。
現代日本の教育を慨嘆して、
「学校でも家庭でも、自分の欲求を満足させることが大切だ、という教育しかしていない」
と述べています。たしかに、人間はみな、煩悩具足。欲をはなれては一日たりとも生きてゆけません。だからみな、いい学校へ入って、いい職に就いて、いい車、いい結婚、いいマイホーム、と、追い求めています。
ところが、限りない欲望は、満足を知りません。喜びは、ほんのつかの間で、また別の欲望にひきずり回される。
そこで、ハマコー氏は言うのです。
「しかし、そんな欲望だけで電車を勝手に動かされたのでは、たまったものではない。いつまでたっても、自分の目的地に行くことはできない。そこで、そうした欲望を自らコントロールできる人間になるような教育が必要になる。
ところが、いまの教育では、電車がどちらの方向に向かうべきかなんてことには、まるで無関心だ」
いまの教育では、電車がどちらの方向に向か
うべきかなんてことには、まるで無関心だ
(浜田幸一)なるほど正論です。
欲望のおもむくままに走る電車に、目的地到着の歓喜はない。まず、めざす目的地をハッキリさせることが、真の教育だというのです。
これは、教育に限りません。世の中を見渡せば、論じられているのは「どう生きるか」ばかりで、「なぜ生きるか」「どこに向かって生きるか」は、まったく問題にされていないのが現状ではないでしょうか。
限りある人生、欲望のみで生きては破滅あるのみでしょう。
生きる目的を知る――
これが真に充実した輝かしい人生の条件と言えるのではないでしょうか。
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