S04-天体の動きはいくらでも計算できるが・・・/ニュートン

「天体の動きはいくらでも計算できるが、人々の狂気の行動はわからない」(ニュートン)

万有引力の法則といえば、ニュートン。宇宙船や人工衛星が可能になり、月が落ちてくる心配から解放されたのは、彼の発見によります。

生涯独身で研究を貫いたニュー卜ンは、死ぬ間際に、こう語っています。

「私は、浜辺で貝がらを拾って遊ぶ子供のようなものだ。真理の大海は眼前に広がっている」

そんな、一見ストイックなニュートンも、名利の大山にはずいぶん迷惑していました。


「私は、浜辺で貝がらを拾って遊ぶ
子供のようなものだ。真理の大海は
眼前に広がっている」(ニュートン)
有名なのは、ドイツの哲学者ライプニッツとの論争です。数学の微積分学という分野を、どちらが早く発見したかをめぐって大騒ぎとなりました。今ではニュートンが先だったと判明していますが、発表はライプニッツの方が、ずっと早かったのです。

ニュートンは、自分を擁護する論文を、友人の名を借りて、いくつも公表します。ライプニッツが死ぬと、「彼の心臓が破れて大満足だ」とまで言ったというのですから、よほど、怒り心頭に発していたのでしょう。

株にも手を出しました。

額面百ポンドの株券が、わずか半年で10倍以上に暴騰、その2ヵ月後に120ポンドに急落、最高値で大量買いしたニュートンは、今の価値にして2億円の大損を被ります。

失意のドン底で残したのが、冒頭のセリフ。

不世出の天才科学者も、バブルの崩壊は、予想できなかったようですね。

損失をとり返そうと、晩年は錬金術に没頭し、遺髪からは錬金術に用いられる水銀が大量に検出された、といいます。

ニュートンも人の子。やはり煩悩にまみれた本性に変わりはないようです。