T04-今世紀最大の新興宗教/ビートたけし「今世紀最大の新興宗教といったら、やっぱりマルキシズムだろうな。まったくとんでもない宗教だった」(ビートたけし) ”宗教はアヘンである”として排斥したマルクス主義が、実は最大の新興宗教だったというのですから、これほどの逆説もありません。 20世紀の末、ソ連や東欧の革命で、マルクス主義は大崩壊。マルクスの理想を実現しようとしたレーニンの像も、撤去され、ソ連はすでに消滅してしまいました。 残る中国も内部からジワジワ資本主義化しつつありますし、キューバ、北朝鮮も時間の問題でしょう。 かつては多くの知識人を魅了し20世紀の世界を2分するほどの勢力をほこったマルクス主義が、どうしてこんなみじめな結末になってしまったのでしょうか。 たけしは言います。 「マルクス教信者たちは、人間がいかに言うことをきかねえか、だらしねえか、ダメなものかというのが、全然わかっていなかった」 そのとおり。マルクスの人間観そのものが、根本的に誤っていたのです。 彼らがめざした共産主義社会とは、「能力に応じて働き、必要に応じて報酬を受ける」社会であるとされています。
すると全体量が180に下がりますから、分配されるのは60。今度は70働いた人からも不平が出るでしょう。 しかもノーメンクラツーラという特権階級の連中が、大衆から搾取していたのですから、実際の分配量はもっと低かった。 結局、「マルクス主義は、平等に貧しくなる思想」と皮肉られる始末。人間の欲望を無視した社会体制の破綻を、ここに見ることができます。 正しい人間観に立脚しなければ、幸福な社会の実現はありえないのです。
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